[NAS]ReadyNAS、X-RAID2の注意事項とまとめ

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NETGEAR ReadyNAS RNDP6000-200AJS

そのNETGEAR ReadyNASシリーズの最大の特徴ともいえるX-RAID2

ネットの多くの記事ではReadyNASとX-RAID2の良いところばかりが取り上げられており、運用する上での厄介な注意点についてほとんど触れていない。
しかし大事な、しかも大量のデータを格納するわけだから不安要素はできるだけ早く把握しておきたい。

そこで公式サイトやマニュアル、海外サイトなどを参考に散乱している情報をまとめてみた。

結構な落とし穴があるのでReadyNASの運用開始前に知っておいて欲しい。
※ここではRNDP6000-200AJS を基準にしているので他の型番の場合は仕様が違う可能性あり。


■X-RAID2の特徴
まずX-RAID2とはなんぞやから。

X-RAID2とはNETGEARのReadyNAS開発チームによる最新の、自動拡張RAID技術であり、
X-RAID2の最大の特徴は、
HDDを追加・交換する際に自動でRAID構成が最適化される
というもの。

2台だとRAID1となり、3台~6台だとRAID5となる。
※条件次第だがRAID6への切替も可能。後で解説。

ただし何も考えずに手放しでX-RAID2を使うと後々問題となる可能性がある。
以下必読。



■X-RAID2の注意事項
※繰り返すがRNDP6000-200AJS が基準。

1.1つあたりのHDDの最大容量
まず1つあたりのHDDの容量は3TBまでにしか対応していないという点。
4TBは駄目。
※2012/02/18時点でのFWのVerは4.2.22。

過去のファームウェアのVerでは2TBのHDDにしか対応しておらずVerUpとともに3TBが扱えるようになったという経緯もあるので、将来的には4TBのHDDにも対応する可能性もなきにしもあらず。

しかし一つ気になるのがこの互換性ページの内容。
■ハードウェア・コンパチビリティリスト ハードディスク
ttp://www.readynas.com/ja/?page_id=82
2012/02/20キャプ

なぜか4TBのHDDが互換性リストに載っている。
3TBの注記にはFWのVerが4.2.16以降で使えるとはっきり書いてあるのだが4TBの方には何も書いてない。
謎。


2.HDDの合計の最大容量
次に注意しなくてはならないのが扱えるHDDの合計の最大容量について。
2013/02/20時点でのNASとして利用できる容量は最大18TBまで
※正確には3TB=2794GBなので約16TB、RAID5だと実際に使えるのは約13TB

なおソフトウェアマニュアルによると最大12TBまで と書いてあるがこの情報は古い。
※マニュアルのVerは1.0で2010/12 発行となっている



3.HDDの追加(水平な拡張)
次に注意しなくてはならないのが、HDDの追加には既に利用しているHDDと同等か、それよりも大きな容量のHDDを追加しなくてはならないという点。

例えば初期設定時においてHDDに1TBのものを使った場合、これ以降のHDDの追加には初期設定時と同等の1TBのものか、それ以上のHDDの容量のものしか追加することができないということ。
上記の例でいくと500GBのHDDを追加することはできない。

また初期設定時に1TBのHDDを複数使っていて、その後2TBのHDDを1つ追加したとする。そうするとこれ以降は2TBのものか、それ以上のHDDの容量のものしか追加することができない。

ちなみに公式ではこのHDDの追加(増設)作業のことを「水平な拡張」と呼ぶ。



4.HDDの交換(垂直な拡張)
これに対し「垂直な拡張」というものがある。
現行で利用している1つのHDDを抜き、そこに新たな別の、容量の大きなHDDを指すというもの。
簡単に言えば容量の大きなものへHDDを交換すること。
例えばHDDに1TBのものを使っていた場合に、新たなHDDとして2TBを購入しそれに差し替えるような作業。

しかしこれにも必要条件がある。
ただHDDを交換しただけでは使用可能容量は増えない。
垂直な拡張によって使用可能容量を増やすには、この容量の大きなHDDへの交換を2つ行わなければならない。

1つ目のHDDの交換ではRAIDのための新たな領域が確保されるだけ。なので使用可能容量は変化せず。
2つ目のHDDの交換が終わるとこのタイミングで使用可能容量が増える。
また垂直な拡張には本体のリブートが必ず必要となる。
場合によっては数回のリブートが必要なときもある。

ちなみに公式ではこの水平な拡張と垂直な拡張のことを「ボリュームの拡張」と呼んでいる。

X-RAID2においてはこの「ボリュームの拡張」を簡単に行えることこそが最大の売りだがこれに関する問題の発生がずば抜けて多いのも事実として押さえておきたい。



5.HDDの追加・交換(ボリュームの拡張)の手順
次に、HDDの追加・交換は必ず一つずつ行わなければならないという点。
複数のHDDをいっぺんに追加したり交換したりしてはならない。
複数の、例えば2つのHDDを追加したい場合は、まず1つ追加して、その最適化がなされてから2つ目を追加する、という具合になる。
ちなみに1つのHDDの追加・交換における最適化にかかる時間は、容量にもよるが 30分~数時間かかる とされている。



6.X-RAID2とFlex-RAIDの切替
次に、RAIDの自動拡張をしてくれる「X-RAID2」に対して、手動にてRAIDの拡張を行う「Flex-RAID」というモードがあるのだが、これらの切替はすでに運用を開始していた場合モード変更は不可能となっている。
それでもモード変更をしたい場合は工場初期出荷(factory default)状態にまで戻す必要がある。
当然ながらこの場合HDDの中身は全て初期化される。



7.RAID5からRAID6への切替
次に、X-RAID2モード時におけるRAID5とRAID6の切替について。
すでにX-RAID2モードで運用中の場合、RAID5からRAID6への切替は新たなHDDを追加するときのみ行える。
さらにこれはHDDの追加より前に、予め管理画面から切替の動作を選択しておく必要がある。
このためすでに6ベイ全てにHDDを指して使い切っている場合はRAID5からRAID6への切替を行うことはできない。

さらに、一旦RAID6で運用開始するとRAID6からRAID5への下位切替は行うことができないということ。
※ベイの空きがあればできるのかも知れない。未確認。



8.HDDの追加・交換における容量の制限
最後に、X-RAID2を使う上で最も注意しなくてはならないのがHDDの追加・交換における制限事項。
HDDの追加・交換によって拡張できる容量は最大で8TBまで
しかできない。

これを超える容量の追加を行う場合はHDDを全てセットした状態で初期化を行わなければならない。
つまりこの時HDDの中身は消える

参照した記事は製品の型番が違うものの、この制限自体はReadyNASで使用しているファイルシステム Ext4 64bitの仕様によるものらしいので該当すると思われる。

■NETGEAR:製品FAQ 参照
http://www.netgear.jp/faqDetail/663.html

つまり初期設定時は3TBx2枚で利用して、あとから3TBx4枚を追加で計3TBx6枚 なんてことはできない。



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以上が注意事項となる。


なんてことだ。結構あるじゃないか。

最大の売りであるX-RAID2の機能 -つまりホットスワップでのHDDの追加・交換によるボリュームの拡張- だが、公式のフォーラムを見たところ残念なことにそのHDDの追加・交換による問題の発生が多かった。

そして最終的に、
HDDを全部指した状態でReadyNASの初期化を行え
と口をそろえたように書かれている。

大してなにも考えずにReadyNASを使いはじめてしまうとHDDの容量に問題が出始めるころまで気がつかないこととなる。
そしてそのころになって気がつくということは、すでに大量のデータを抱え込んでいる状態なわけであって、そんな大量のデータを別のところにバックアップするための環境をわざわざ用意するのは一苦労だ。

というよりそのころにあれこれ触るのが怖い。


最後に要点をまとめると、
初期設定時に用意するHDDは最初から3TBx6本(マックスベイ状態)にする。

つまり運用開始後にHDDの追加・交換はできる限り行わないのがベスト。
お手軽なボリューム拡張がX-RAID2の売りであるがその機能を使うのは極力避けた方が良い、という結論。
ちなみにこの時のRAID構成は自動的にRAID5となる。

RAID6で運用したいと考えているなら初期設定時に指すHDDを5枚にし、一旦RAID5で最適化させたあと管理画面にアクセスして次回追加の時にRAID6に切り替える方法を取らねばならないのだろう。

Flex-RAIDの場合だとこんな方法を取らなくても良いのかも知れないが、そもそもこのNASを選んでいる時点でそれはあり得ないだろう。
X-RAID2が売りなわけだから。
というかFlex-RAIDを選んだ人はHDDに障害が起きた時に差し替えはどうするつもりなのだろう。
方法がないわけではないのだろうが…



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ここに書いた記事は、一応マニュアルや公式サイト、海外の分析サイトなどから取ってきているが実際に自分で試していない情報も多く含まれる。

あと調べていて思ったがファームウェアのVerによる挙動の差異があるのに対して、情報の修正や周知が追いついていない感じがした。
情報をやたらあちこちにばら撒きすぎ。

混乱の元となるので重要な情報はきちんと修正してまとめておいて欲しいと思う。